AIマッチングで採用成功率74%向上──株式会社キャリアメトリクス代表・藤崎良平が語る「データドリブン採用」の真髄
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AIマッチングで採用成功率74%向上──株式会社キャリアメトリクス代表・藤崎良平が語る「データドリブン採用」の真髄

採用の「勘と経験」をデータとAIで再定義する

株式会社キャリアメトリクス

藤崎 良平
代表取締役CEO 藤崎 良平 株式会社キャリアメトリクス

独自のタレントアナリティクス技術により、企業と求職者の最適なマッチングを実現。導入企業の早期離職率を平均42%削減した次世代採用プラットフォームの挑戦に迫る。

「採用のミスマッチ」が生む年間8.6兆円の経済損失

日本企業における採用のミスマッチによる経済損失は年間約8.6兆円にのぼるとされている。新卒社員の3年以内離職率は約32%、中途採用でも1年以内の離職が約15%に達する現状がある。この課題に対し、データサイエンスとAI技術を駆使した革新的なアプローチで挑むのが、株式会社キャリアメトリクスだ。

「従来の採用活動は、面接官の主観や過去の成功体験に依存しすぎていました」と語るのは、代表取締役CEOの藤崎良平氏。東京大学大学院で機械学習を専攻し、大手人材紹介会社でデータアナリストとして5年間従事した後、2019年に同社を創業した。「私たちはタレントアナリティクスという概念を軸に、採用における意思決定を科学的に支援するプラットフォームを開発しています」

同社が提供する「TalentMatch AI」は、求職者の職務経歴書、スキルテスト結果、性格診断など250項目以上のデータポイントを分析し、企業の組織文化や求めるコンピテンシーとの適合度を数値化する。導入企業は既に420社を超え、2023年度の売上高は前年比190%増の12億円を記録した。

独自アルゴリズムが実現する「見えない適性」の可視化

キャリアメトリクスの競合優位性は、独自開発のマルチモーダルAIアルゴリズムにある。一般的な採用支援ツールが履歴書の文字情報のみを処理するのに対し、同社のシステムは動画面接での表情分析、音声のトーン解析、テキストコミュニケーションのパターン認識を統合的に処理する。

「例えば、営業職の採用において『コミュニケーション能力』という抽象的な要件を、私たちは36の具体的な行動指標に分解します」と藤崎氏は説明する。「顧客折衝における共感性スコア、ストレス耐性指数、論理的説明力など、定量化された指標によって『なぜこの候補者が適しているのか』を明確に示せるのです」

データは嘘をつきません。しかし、データだけでは人間の可能性を測りきれない。だからこそ私たちは、AIの判断と人間の洞察を組み合わせた『ハイブリッド評価モデル』を追求しているのです。

藤崎良平氏

実際の導入事例では、大手IT企業においてエンジニア採用の成功率が74%向上し、採用後6ヶ月時点でのパフォーマンス評価が従来比で平均23ポイント上昇したという。また、小売業大手では店舗マネージャー採用における1年以内離職率が58%から16%へと劇的に改善された。

エンゲージメントデータとの連携で実現する「採用後」の成功

同社のイノベーションは採用段階にとどまらない。2022年からは、従業員エンゲージメントサーベイ機能と採用データを連携させた「CareerGrowth Analytics」をリリース。入社後の従業員パフォーマンス、満足度、キャリア志向の変化をトラッキングし、採用アルゴリズムの精度を継続的に改善する仕組みを構築した。

「採用は入社がゴールではありません。真の成功は、その人が組織で活躍し、成長し続けられるかどうかです」と藤崎氏は強調する。「私たちのプラットフォームは、採用前の予測データと採用後の実績データを機械学習でフィードバックさせることで、予測精度を月次で平均1.2%ずつ向上させています」

この「クローズドループ学習システム」により、企業は自社固有の成功パターンを蓄積できる。ある製造業では3年間のデータ蓄積により、自社特有の『ハイパフォーマー特性モデル』を確立し、技術職の採用精度を従来の2.3倍に高めることに成功した。

また、同社は2023年10月にピープルアナリティクス専門のコンサルティング部門を新設。単なるツール提供にとどまらず、組織開発や人材育成戦略の設計まで支援する総合的なHRテックソリューションへと進化している。現在、コンサルタント15名体制で、年間80社以上の戦略策定を支援している。

グローバル展開と次世代HRテックの展望

国内市場での実績を背景に、キャリアメトリクスは2024年から本格的な海外展開を開始する。まずはシンガポールとタイに現地法人を設立し、ASEAN市場でのシェア獲得を目指す。「アジア市場は若年人口が多く、デジタルネイティブ世代の採用ニーズが急拡大しています。文化的多様性に対応したローカライズ版の開発も進めています」

技術面では、ジェネレーティブAIを活用した次世代機能の開発に注力している。候補者一人ひとりに最適化された面接質問の自動生成、リアルタイムでの面接支援、さらには将来のキャリアパス予測まで、AIが人事担当者の戦略的パートナーとなる世界を描く。

「2025年までに、私たちのプラットフォームは日本の採用市場の15%をカバーすることを目標としています」と藤崎氏は展望を語る。「それは単なる市場シェアではなく、日本の労働市場全体の効率性を高め、一人ひとりが自分に合った場所で輝ける社会を実現するための数字なのです」

同社は2024年春にシリーズBラウンドで総額18億円の資金調達を完了し、エンジニア採用を中心に組織を100名体制へ拡大する計画だ。また、大学や研究機関との共同研究も推進し、労働経済学とデータサイエンスを融合させた学術的基盤の構築にも取り組んでいる。

人間中心のテクノロジーが切り拓く採用の未来

HRテック市場が急拡大する中、技術偏重への警鐘も聞かれる。この点について藤崎氏は明確な哲学を持つ。「テクノロジーはあくまで人間の可能性を拡張するツールであるべきです。AIが人を評価するのではなく、AIが人間の判断をより賢明にする──それが私たちの目指す世界です」

同社では倫理委員会を設置し、アルゴリズムバイアスの監視や個人情報保護について厳格な基準を設けている。特に性別、年齢、出身地などによる差別的判断を排除するため、定期的なアルゴリズム監査を実施し、公平性スコアを維持している。

「データが示すのは相関関係であり、因果関係ではありません」と藤崎氏は慎重な姿勢を見せる。「だからこそ、最終的な採用判断は必ず人間が行うべきです。私たちの役割は、その判断材料を科学的に、そして公平に提供することなのです」

労働市場の流動化、リモートワークの常態化、ジョブ型雇用の普及──変化の激しい時代において、データドリブンな採用戦略の重要性はますます高まっている。キャリアメトリクスが提唱する「人間中心のHRテック」は、企業と個人の双方に最適な出会いを創出し、日本の人材市場に新たな可能性をもたらそうとしている。

📝 まとめ
・独自のマルチモーダルAIアルゴリズムにより、採用成功率を74%向上させ、早期離職率を平均42%削減
・250項目以上のデータポイントを分析するタレントアナリティクス技術で、導入企業420社、売上高前年比190%増を達成
・採用データとエンゲージメントデータを連携させた「クローズドループ学習システム」で予測精度を継続的に改善
・2024年からASEAN市場への本格展開を開始し、2025年までに日本の採用市場15%のカバーを目標とする

🏢企業情報

会社名 株式会社キャリアメトリクス
業種 人材・HRテック
役職 代表取締役CEO
代表者 藤崎 良平
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