採用データの民主化で中小企業の人材獲得を支援──株式会社タレントコネクト 西村代表に聞く
人材・HRテック

採用データの民主化で中小企業の人材獲得を支援──株式会社タレントコネクト 西村代表に聞く

中小企業こそデータドリブン採用で勝てる時代へ

株式会社タレントコネクト

西村 圭吾
代表取締役社長 西村 圭吾 株式会社タレントコネクト

大手企業と中小企業の採用格差をテクノロジーで解消する。AIと独自アルゴリズムで採用データを可視化し、採用担当者の意思決定を支援するHRテックベンチャーの挑戦。

採用データの民主化という新たな視点

編集部
御社が提供する「TalentConnect Analytics」は、中小企業向けの採用データ分析プラットフォームとして注目を集めています。このサービスを立ち上げた背景を教えてください。
西村社長
私自身が以前、地方の中堅製造業で人事責任者を務めていた経験が原点です。当時、採用活動において大手企業と中小企業の情報格差を痛感しました。大手は専門部署があり、高額なコンサルティングを受けられる。一方で中小企業は限られた予算と人員で、勘と経験に頼った採用を続けざるを得ない。この構造的な問題をテクノロジーで解決したいと考えたんです。採用データは本来、企業規模に関わらず誰もが活用できるべきものです。
編集部
「データの民主化」という言葉が印象的ですね。具体的にどのような機能でそれを実現しているのでしょうか。
西村社長
大きく3つの機能があります。まず採用チャネル分析機能。求人媒体ごとの応募数、選考通過率、入社後の定着率まで一元管理できます。次に候補者スコアリング機能。過去の採用データと入社後のパフォーマンスデータを機械学習で分析し、自社にマッチする人材の特徴を可視化します。そして採用市場インサイト機能。同業他社や同地域の採用トレンド、給与水準などをベンチマークできます。これらを月額3万円から提供することで、中小企業でも大手と同等の採用インテリジェンスを手に入れられるんです。
編集部
月額3万円からというのは、かなり戦略的な価格設定ですね。
西村社長
ええ。私たちは「採用データは社会インフラである」という信念を持っています。利益率を多少犠牲にしても、より多くの中小企業に使っていただくことが、日本全体の採用市場の健全化につながると考えています。実際、導入企業の68%が従業員数50名以下の企業です。彼らが適切なデータに基づいて採用活動を行えるようになることで、人材のミスマッチが減り、地方経済の活性化にも貢献できると信じています。

採用データは本来、企業規模に関わらず誰もが活用できるべきもの

── 西村社長

AIと人間の協働が生み出す新しい採用体験

編集部
AI技術の活用について詳しく聞かせてください。どのようなアルゴリズムを採用しているのですか。
西村社長
私たちは説明可能なAI(Explainable AI)にこだわっています。ブラックボックス化したAIではなく、なぜそのスコアが出たのか、どの要素が評価に影響したのかを明確に示せる設計です。例えば、候補者のスコアリングでは、スキルマッチ度30%、カルチャーフィット25%、成長可能性20%といった形で内訳を表示します。採用は最終的に人が判断するものですから、AIはあくまで意思決定の「補助線」であるべきだと考えています。
編集部
説明可能性を重視する理由は何ですか。
西村社長
採用は人生を左右する重要な意思決定です。企業側も候補者側も、その判断プロセスに納得感が必要です。特に不採用になった候補者に対して、単に「AIが判断しました」では説明責任を果たせません。当社のシステムでは、スキルのどの部分が不足していたのか、どんな経験を積めば次のチャンスがあるのかまでフィードバックできます。これは候補者体験の向上にもつながり、結果として企業のemployer brandingにも貢献します。
編集部
人間の採用担当者の役割はどう変わっていくとお考えですか。
西村社長
むしろ本来の役割に集中できるようになると考えています。データ集計や分析といった作業的な業務から解放され、候補者との対話や、採用戦略の立案といった創造的な業務に時間を使えます。ある導入企業では、採用担当者の事務作業時間が40%削減され、その分を候補者との面談時間に充てた結果、内定承諾率が1.8倍に向上しました。テクノロジーは人を置き換えるのではなく、人の能力を拡張するものであるべきです。

AIはあくまで意思決定の「補助線」であるべき

── 西村社長

地方創生と人材流動性の向上を目指して

編集部
今後の事業展開について教えてください。特に注力している領域はありますか。
西村社長
2つの方向性があります。1つ目は地方企業への浸透です。現在、47都道府県すべてに導入実績がありますが、特に地方の中小企業にこそ私たちのサービスが必要だと考えています。来期からは地方自治体との連携を強化し、地域単位での採用力向上支援プログラムを展開します。2つ目はリテンション(定着支援)機能の強化です。採用して終わりではなく、入社後のオンボーディングやエンゲージメント管理まで一気通貫でサポートできるプラットフォームを目指しています。
編集部
地方自治体との連携とは具体的にどのような取り組みですか。
西村社長
例えば、ある県では「UIターン採用データバンク」という仕組みを一緒に構築しています。県内企業の採用データを匿名化・集約し、どんな人材がどんな条件で地方に移住・転職しているのかを可視化します。これにより、地方企業が都市部人材にアプローチする際の戦略が立てやすくなります。また、移住希望者にとっても、自分のスキルがどの地域・企業で求められているかが分かり、UIターンのハードルが下がります。人材の地域間流動性を高めることが、日本全体の活性化につながると信じています。
編集部
最後に、HRテック業界の未来像と、御社が果たしたい役割について聞かせてください。
西村社長
HRテック業界は今、「効率化」から「価値創造」へとフェーズが移行しています。単に業務を効率化するだけでなく、採用・育成・配置を通じて企業と個人の両方が成長できる仕組みを作ることが求められています。私たちは、データとテクノロジーの力で「適材適所」を実現し、日本の労働市場全体の最適化に貢献したい。特に、これまで光が当たらなかった中小企業や地方企業が、優秀な人材と出会える社会を作りたいんです。それが結果的に、個人のキャリアの選択肢を広げ、日本経済全体の生産性向上にもつながると確信しています。10年後には「あの会社のおかげで採用が変わった」と言われる存在になりたいですね。

「効率化」から「価値創造」へ──採用を通じて企業と個人の両方が成長できる仕組みを

── 西村社長
📝 まとめ
・採用データの「民主化」により、中小企業も大手と同等の採用インテリジェンスを活用可能に
・説明可能なAI設計により、採用プロセスの透明性と候補者体験の向上を実現
・地方自治体と連携し、UIターン採用データバンクなど地方創生に貢献する取り組みを展開
・テクノロジーは人を置き換えるのではなく、採用担当者が本来の創造的業務に集中できる環境を提供

🏢企業情報

会社名 株式会社タレントコネクト
業種 人材・HRテック
役職 代表取締役社長
代表者 西村 圭吾
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