税理士、社労士、行政書士など士業の垣根を越えたワンストップサービスを展開。デジタル化と専門性の融合で中小企業支援の新しいスタンダードを創り出す。
士業ネットワークという新しいビジネスモデル
編集部
リーガルパートナーズの事業内容について教えてください。
岩瀬社長
当社は士業専門家のネットワークプラットフォームを運営しています。税理士、社労士、行政書士、司法書士など約200名の専門家が登録しており、中小企業のあらゆる経営課題に対してワンストップで対応できる体制を構築しています。従来、企業は税務は税理士、労務は社労士と個別に相談先を探す必要がありましたが、我々のプラットフォームを使えば、一つの窓口ですべての専門サービスにアクセスできます。さらに独自開発のクラウド型業務管理システムにより、各専門家間の情報共有もスムーズに行えるんです。
編集部
なぜこのようなビジネスモデルを考案されたのでしょうか。
岩瀬社長
私自身が税理士として15年間、個人事務所を経営していた経験が原点です。クライアント企業から「労務の相談もできますか」「許認可の手続きも頼めませんか」と聞かれることが本当に多くて。その度に信頼できる他の士業を紹介していたのですが、情報の分断や連携の手間が課題でした。企業側は経営全体を見てほしいのに、士業側は縦割りになっている。このギャップを解消したいと考えたのがきっかけです。2018年に法人化し、本格的にプラットフォーム事業を開始しました。
編集部
士業の先生方を巻き込むのは大変だったのでは。
岩瀬社長
おっしゃる通り、最初は苦労しました。士業は独立心が強く、他者との協業に慣れていない方も多い。ただ、我々が提供する価値は明確でした。一つは新規クライアントの紹介。プラットフォーム経由で質の高い案件を安定的に受注できます。二つ目は業務効率化ツールの提供。請求管理やスケジュール管理などバックオフィス業務を大幅に削減できます。そして三つ目が専門外の相談への対応力。クライアントからの幅広い相談に、ネットワーク内の専門家と連携して応えられる。これらのメリットを丁寧に説明し、理解いただいた先生方から順次参画していただきました。
企業が求めているのは個別の専門知識ではなく、経営課題全体への伴走支援なんです
── 岩瀬社長
テクノロジー活用で士業の付加価値を高める
編集部
デジタル化への取り組みについて詳しく聞かせてください。
岩瀬社長
士業の世界は正直、デジタル化が遅れている分野です。だからこそチャンスがあると考えています。当社では三つの柱でテクノロジーを活用しています。まずAIチャットボットによる一次相談対応。よくある質問は24時間自動対応し、専門家の時間を本質的な業務に集中させます。次にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による定型業務の自動化。会計データの入力や書類作成など、単純作業を大幅に削減しました。そしてデータ分析基盤の構築です。顧客企業の財務データや労務データを統合分析し、経営改善の提案に活かしています。
編集部
士業の先生方はそうした変化を受け入れてくださるのでしょうか。
岩瀬社長
最初は抵抗感を持つ方もいらっしゃいました。「AIに仕事を取られる」という不安ですね。でも実際に使っていただくと、評価は一変します。単純作業から解放され、顧客とのコミュニケーションやコンサルティングに時間を使えるようになるからです。例えば、従来は記帳代行に月20時間かけていた税理士が、RPAで5時間に短縮でき、浮いた15時間で3社の経営相談に対応できるようになった。結果として売上も顧客満足度も向上する。テクノロジーは士業の敵ではなく、最強のパートナーなんです。
編集部
今後さらに強化したい技術領域はありますか。
岩瀬社長
予測分析と提案型サービスですね。現在は過去のデータを分析して報告することが中心ですが、今後はAIで将来を予測し、先回りした提案をしたい。例えば、財務データから資金繰りの悪化を3ヶ月前に予測して融資の提案をする、労務データから離職リスクの高い部署を特定して対策を提言する。こうした攻めのコンサルティングにシフトしていきたいと考えています。そのために現在、データサイエンティストの採用も進めています。
テクノロジーは士業を代替するのではなく、士業の価値を何倍にも高めるツールです
── 岩瀬社長
中小企業支援の未来像と経営哲学
編集部
岩瀬社長が考える中小企業支援のあるべき姿とは。
岩瀬社長
私は「経営者の最も身近な参謀」になることだと考えています。中小企業の経営者は本当に孤独です。大企業のように社内に専門部署があるわけでもなく、すべてを一人で判断しなければならない。そんな経営者に寄り添い、財務、労務、法務、あらゆる面から支えるのが我々の役割です。単に書類を作る、申告するだけではなく、経営判断のパートナーとして機能したい。そのためには、各分野の専門知識を統合して提供できる体制が不可欠なんです。
編集部
御社自体の今後の成長戦略について教えてください。
岩瀬社長
三つの方向性があります。一つ目は登録士業の拡大。現在の200名から3年以内に500名体制を目指します。二つ目は対応領域の拡大。現在は税務・労務・法務が中心ですが、IT支援や海外展開支援なども加えたい。三つ目は地方展開です。現在は首都圏が中心ですが、地方こそ士業ネットワークのニーズが高い。各地域で信頼できる専門家と連携し、全国どこでも質の高いサービスを提供できる体制を作ります。5年後には売上50億円、登録士業1000名の規模を目指しています。
編集部
最後に、士業を目指す若い世代へメッセージをお願いします。
岩瀬社長
士業は本当に素晴らしい仕事です。専門知識で企業を支え、社会に貢献できる。ただ、従来型の「先生業」だけでは生き残れない時代になっています。デジタルスキルを身につけ、他の専門家と協業し、顧客視点で価値を提供する。そういう新しい士業像を描ける人材が求められています。当社でも若手士業の育成に力を入れていますし、チャレンジしたい方はぜひ一緒に新しい士業の世界を作っていきましょう。変化を恐れず、テクノロジーを味方につけた士業こそが、これからの時代に最も必要とされる存在になると確信しています。
編集部
岩瀬社長ご自身の経営哲学についても伺えますか。
岩瀬社長
私が大切にしているのは「専門性と人間性の両立」です。どれだけテクノロジーが発達しても、最後は人と人との信頼関係がすべて。専門知識やシステムは必要条件ですが、十分条件ではありません。クライアントの話を真摯に聞き、その企業の成長を本気で願い、時には厳しいことも伝える。そういう誠実なコミュニケーションがあってこそ、真のパートナーになれると考えています。社内でも「効率化の先にあるのは、より深い顧客理解と関係構築だ」と常に伝えています。
変化を恐れず、テクノロジーを味方につけた士業が、これからの時代に最も必要とされます
── 岩瀬社長
まとめ
・税理士、社労士など約200名の士業ネットワークでワンストップサービスを提供
・AIチャットボット、RPA、データ分析などテクノロジー活用で士業の付加価値を向上
・単純作業を自動化し、士業が顧客との対話や経営相談に集中できる環境を構築
・5年後に売上50億円、登録士業1000名を目指し全国展開を推進
・AIチャットボット、RPA、データ分析などテクノロジー活用で士業の付加価値を向上
・単純作業を自動化し、士業が顧客との対話や経営相談に集中できる環境を構築
・5年後に売上50億円、登録士業1000名を目指し全国展開を推進
企業情報
| 会社名 | 株式会社リーガルパートナーズ |
|---|---|
| 業種 | 士業・コンサルティング |
| 役職 | 代表取締役社長 |
| 代表者 | 岩瀬 健一郎 |