患者と医療機関を繋ぐプラットフォームで医療DXを推進―メディブリッジの挑戦
医療・ヘルスケア

患者と医療機関を繋ぐプラットフォームで医療DXを推進―メディブリッジの挑戦

「医療アクセスの格差をゼロにする」理念で急成長

株式会社メディブリッジ

藤原 健吾
代表取締役社長 藤原 健吾 株式会社メディブリッジ

オンライン診療予約システムと電子カルテ連携で医療機関の業務効率化を実現。創業5年で全国2,000施設以上が導入する医療プラットフォームの裏側に迫る。

医療現場のDXに挑む理由

編集部
まず、メディブリッジ設立の経緯についてお聞かせください。
藤原社長
私は以前、大手IT企業でシステムエンジニアとして働いていましたが、母が地方で病気になった際、専門医を探すのに非常に苦労した経験があります。都市部では選択肢が豊富なのに、地方では情報も少なく、予約システムも電話のみという医療機関が大半でした。この「医療アクセスの地域格差」を技術で解決したいという想いが、創業のきっかけです。2019年に会社を立ち上げ、まずはオンライン予約システムから事業をスタートさせました。
編集部
当初から順調だったのでしょうか。
藤原社長
いえ、最初は本当に苦労の連続でした。医療機関は情報セキュリティやプライバシー保護に非常に敏感ですし、従来のやり方を変えることへの抵抗も大きかったんです。最初の1年間は、わずか20施設ほどの導入にとどまりました。しかし、実際に導入していただいた医療機関から「電話対応の負担が大幅に減った」「患者さんの待ち時間が改善された」という声をいただき、徐々に口コミで広がっていったのが転機でしたね。
編集部
コロナ禍が追い風になった面もあるのでしょうか。
藤原社長
確かに2020年以降、オンライン診療やデジタル化への需要は急激に高まりました。ただ、私たちは単に流行に乗ったわけではなく、その前から地道に医療機関との信頼関係を築いてきたことが大きかったと思います。パンデミック時には、多くの医療機関が急速なデジタル化を迫られましたが、私たちは既に現場の課題を理解していたので、迅速かつ適切なソリューションを提供できたことが評価されました。現在では全国2,000施設以上に導入していただいています。

医療アクセスの地域格差を技術で解決したい。これが私たちの原点です。

── 藤原社長

プラットフォームの特徴と差別化戦略

編集部
メディブリッジのシステムの特徴を教えてください。
藤原社長
私たちの強みは大きく3つあります。第一に、電子カルテとの高度な連携機能です。多くの予約システムは単独で動作しますが、私たちは主要な電子カルテベンダー15社とAPI連携しており、予約情報がそのまま診察予約として電子カルテに反映されます。これにより医療機関側の二重入力の手間が省けます。第二に、患者向けのスマートフォンアプリの使いやすさです。高齢者でも直感的に操作できるUIデザインにこだわり、ユーザーテストを重ねました。そして第三に、診療科ごとの特性に合わせたカスタマイズ性です。整形外科と精神科では予約の取り方も患者層も全く異なりますから。
編集部
競合他社も多い分野だと思いますが、どう差別化していますか。
藤原社長
確かに医療IT分野は競争が激しいですね。ただ、私たちは「医療機関ファースト」の姿勢を徹底している点が違います。具体的には、24時間365日のサポート体制を構築し、システムトラブル時には30分以内に対応できる体制を整えています。また、導入時には必ず現地に伺い、スタッフの方々への研修を丁寧に行います。価格面でも、規模の小さなクリニックでも導入しやすい段階的な料金プランを用意しています。技術だけでなく、伴走型のサポートが評価されていると自負しています。
編集部
今後の機能拡張の予定はありますか。
藤原社長
はい、現在開発中なのがAI問診機能です。患者さんがアプリ上で症状を入力すると、AIが適切な質問を投げかけ、来院前に詳細な問診情報を収集できる仕組みです。これにより医師の診察時間を効率化できますし、患者さんも落ち着いて症状を伝えられます。また、処方箋の電子化や、オンライン服薬指導との連携も視野に入れています。医療の入口から出口までをシームレスに繋ぐプラットフォームを目指しています。
編集部
データ活用についてはどうお考えですか。
藤原社長
これは非常に重要なテーマです。私たちは膨大な予約データや患者動向データを持っていますが、個人情報保護を最優先にしながら、統計データとして医療政策や地域医療の改善に役立てたいと考えています。例えば、ある地域で特定の診療科の予約が取りにくいというデータがあれば、行政や医師会と共有することで医療資源の最適配置に貢献できます。データを社会的価値に変換していくことが、私たちの次の使命だと思っています。

技術だけでなく、医療現場に寄り添う伴走型のサポートが私たちの強みです。

── 藤原社長

医療業界の未来と経営ビジョン

編集部
日本の医療業界が抱える課題をどう見ていますか。
藤原社長
最も深刻なのは医療従事者の働き方改革と人材不足です。2024年から医師の時間外労働規制が始まりましたが、現場の負担は依然として重い。私たちのシステムで事務作業や電話対応を削減できれば、医師や看護師の方々が本来の医療行為に集中できる時間が増えます。また、地方の医療過疎も深刻です。オンライン診療の活用や、都市部の専門医と地方医療機関を繋ぐ遠隔医療支援なども、技術で解決できる領域だと考えています。
編集部
海外展開の構想はありますか。
藤原社長
実は既に東南アジアでの展開を視野に入れています。特にベトナムやタイでは、経済成長に伴い医療インフラの整備が急務となっていますが、日本と同様に医療従事者不足の問題を抱えています。日本で培ったノウハウを現地にローカライズして提供できれば、アジア全体の医療水準向上に貢献できると考えています。2025年中にはベトナムでのパイロットプロジェクトをスタートさせる予定です。
編集部
会社の今後5年間のビジョンを教えてください。
藤原社長
2030年までに「日本の医療インフラの標準プラットフォーム」になることが目標です。具体的には、導入施設を5,000以上に拡大し、登録患者数を500万人規模にしたいと考えています。同時に、単なる予約システムを超えて、健康管理アプリや予防医療支援、医療機関同士の連携支援など、包括的な医療エコシステムを構築していきます。また、医療データの利活用を通じて、エビデンスに基づく医療政策提言も行っていきたいですね。
編集部
最後に、医療業界を目指す若い世代へメッセージをお願いします。
藤原社長
医療業界は確かに規制も多く、参入障壁が高い分野ですが、だからこそイノベーションの余地が大きいんです。医師や看護師として直接患者さんと向き合う道もあれば、私たちのように技術や経営の側面から医療を支える道もあります。重要なのは「患者さんのために何ができるか」という視点を持ち続けることです。日本の医療は世界トップレベルですが、まだまだ改善できる点はたくさんあります。ぜひ若い感性と新しい技術で、この業界に飛び込んできてほしいですね。私たちも積極的に採用していますので、志のある方をお待ちしています。

医療業界はイノベーションの余地が大きい。患者さんのために何ができるかを問い続けてほしい。

── 藤原社長
📝 まとめ
・母の闘病経験から医療アクセスの地域格差解決を志し、2019年に創業
・電子カルテ連携と使いやすいUIで差別化し、全国2,000施設以上に導入拡大
・24時間365日サポート体制など「医療機関ファースト」の姿勢を徹底
・AI問診機能の開発や東南アジア展開など、次なる成長戦略を推進中

🏢企業情報

会社名 株式会社メディブリッジ
業種 医療・ヘルスケア
役職 代表取締役社長
代表者 藤原 健吾
← 一覧に戻る

取材をご希望の企業様へ

VERIQ Pressでは、企業の価値を伝えるインタビュー記事の取材を受け付けております。御社の魅力を広く発信しませんか?

お問い合わせはこちら