静岡県三島市、箱根西麓の豊かな自然に囲まれた三島市立箱根の里。
ここは一般的なキャンプ場とは少し違います。自然の中での集団宿泊やさまざまな活動を通して、子どもたちの社会性や心身の成長につなげることを目的とした社会教育施設です。
敷地内にはキャンプ場だけでなく、宿泊棟や食堂、大浴場、プレイルーム、研修室、広大な芝生広場、さらにプラネタリウムまで備えた「少年自然の家」があります。自然観察やハイキング、野外炊事、キャンプファイヤーなど、その日の目的に合わせてさまざまな体験を組み立てられることが大きな特徴です。
自然の中で食事をつくり、仲間と火を囲み、夜空を見上げる。
普段の生活ではなかなか経験できない時間の中で、自然の楽しさと人とのつながりを感じられる場所です。
自分たちでつくる時間が、キャンプの思い出になる
三島市立箱根の里のキャンプ場には、A・B・C・Dサイトと、少人数向けのFサイトが設けられています。
A〜Cサイトには野外炉や営火場などが整備されており、仲間と協力しながら野外炊事やキャンプファイヤーに挑戦できます。Bサイトには大人数でのキャンプファイヤーにも適した大きな営火場があり、Cサイトはハイキングコース入口にも近いなど、それぞれに特徴があります。
ここで大切にしたいのは、便利な設備に囲まれて過ごすことだけではありません。
薪を使って火をおこす。みんなで料理をつくる。食べ終わったら協力して片付ける。そして夜には一つの火を囲んで過ごす。
一人なら簡単にできることでも、仲間と取り組めば会話が生まれます。思い通りにいかないことも含めて、一緒に経験した時間が思い出になっていきます。
公式サイトには飯盒炊飯や火のおこし方、野外炊事、キャンプファイヤーなどの活動資料も用意されています。
「キャンプをすること」そのものではなく、キャンプを通して何を感じ、誰とどんな時間を過ごすのか。
箱根の里らしさは、そんな体験の中にあります。

森を歩けば、新しい発見が待っている
テントサイトだけで一日を過ごすのではなく、周囲の自然へ飛び出してみるのも箱根の里の楽しみ方です。
施設には複数のハイキングコースが用意されています。
約30分で楽しめる「さわがに沢コース」から、富士山の眺望が魅力の「扇平コース」、自然豊かな「林間せせらぎコース」、山中城跡へ向かう約7kmのコースまで、年齢や活動時間に合わせて選択できます。
森を歩いていると、風の音や鳥の声、植物の形、季節による空気の違いなど、普段は意識していなかった自然に気づく瞬間があります。
大人にとっては何気ない風景でも、子どもにとっては新しい発見の連続です。
さらに、キャンプ場では多目的広場の池を利用した魚のつかみ取りも可能。公式案内では鮎・ニジマス・アマゴなどが例として紹介されています。
ただ自然を見るだけではなく、歩く、触れる、考える。
身体を動かしながら自然を知ることができる環境が、箱根の里には広がっています。
キャンプの夜からプラネタリウムまで。「星」を楽しむ時間
自然の中で過ごす夜には、昼間とは違った楽しみがあります。
そして三島市立箱根の里には、キャンプ施設としては特徴的なプラネタリウムがあります。
少年自然の家には、プラネタリウムをはじめ、宿泊棟、食堂、大浴場、プレイルーム、研修室、芝生広場などが整備されています。
昼間は森を歩き、野外炊事を楽しむ。
夕方になったら仲間と食事を囲み、キャンプファイヤーを楽しむ。
そして夜には星について学ぶ。
アウトドアと学びを別々に考えるのではなく、一日の体験としてつなげられることが箱根の里ならではの魅力です。
天体観測・星空やトレッキング・登山を楽しめる施設です。
ただ「きれいだった」で終わらず、自然への興味が生まれるきっかけになる。
そんな体験を子どもたちに届けられることも、この場所ならではの価値です。

大人数だけじゃない。少人数でも自然の中へ
箱根の里は学校行事や青少年団体などの集団活動に適した施設ですが、現在は個人でキャンプ場を利用することもできます。
個人利用の場合はAサイトまたはFサイトが対象となっており、利用日の1カ月前から3日前までの間に予約手続きを行います。まず電話で空き状況を確認し、仮予約後に使用承認申請書を提出する流れです。
Fサイトは1〜9名向けに設定され、火おこし用のU字溝を備えた少人数向けサイトです。
そのため、「教育団体だけが使う場所」というイメージだけでは、この施設の魅力を十分には表せません。
少人数で自然の中に身を置き、静かにキャンプを楽しむ。
仲間や家族と火をおこし、外で食事をつくる。
そんなシンプルなアウトドアの時間を過ごす選択肢もあります。
一方、Dサイトは水道のみを備えた上級者向け。設備が充実したサイトから、より自然に近い環境まで、それぞれの目的に応じた使い方ができます。
子どもの「できた」が増えていく、箱根の里での一日
三島市立箱根の里が目指しているのは、豪華なアウトドアリゾートではありません。
施設の目的として掲げられているのは、自然と触れ合う機会の少ない子どもたちが、自然の中での集団宿泊生活やさまざまな活動を経験し、社会性豊かな心身ともにたくましい人へ成長していくことです。
火をおこせた。
自分たちでご飯を炊けた。
いつもより長い距離を歩けた。
仲間と協力できた。
知らなかった植物や星を見つけた。
一つひとつは小さな出来事でも、自然の中では、それが子どもたちにとって大きな経験になります。
キャンプ、ハイキング、野外炊事、キャンプファイヤー、星空、プラネタリウム。
さまざまな活動ができる箱根の里だからこそ、決められた楽しみ方ではなく、その人たちなりの自然体験を組み立てることができます。
遊びながら学び、仲間と過ごしながら成長する。
三島市立箱根の里は、自然そのものを大きな教室に変えてくれる場所です。