eスポーツ×地域創生で描く新時代のエンタメ拠点戦略
スポーツ・エンタメ

eスポーツ×地域創生で描く新時代のエンタメ拠点戦略

地方都市に最新鋭のeスポーツ施設を展開し、若者が集まる場を創出

株式会社アリーナゲーミングジャパン

三島 拓哉
代表取締役社長 三島 拓哉 株式会社アリーナゲーミングジャパン

全国12都市にeスポーツアリーナを展開する同社。プロリーグ運営から地域イベントまで、デジタルとリアルを融合したエンタメ空間で地方創生に挑む。

地方都市にこだわる理由

編集部
御社は東京や大阪などの大都市ではなく、地方都市を中心にeスポーツ施設を展開されています。この戦略の背景を教えてください。
三島社長
創業当初から「デジタルエンタメの民主化」をミッションに掲げています。東京には既に多くのeスポーツ施設がありますが、地方の若者は最新の設備に触れる機会が限られている。この格差を解消したいと考えました。実際、静岡や岡山、熊本などの施設は週末には満席になることも多く、地方にも確実に需要があることを証明できています。
編集部
地方展開における採算性の課題はどのように乗り越えられたのでしょうか。
三島社長
施設単体での収益だけでなく、地域の企業や自治体との連携モデルを構築したことが大きいですね。例えば地元企業とスポンサー契約を結んだり、自治体の若者支援事業として補助金を活用したり。さらに配信スタジオを併設することで、コンテンツ制作の拠点としても機能させています。複数の収益源を持つことで、地方でも十分に事業として成立させることができました。
編集部
地域との関係構築で特に意識されていることはありますか。
三島社長
単なる「ゲームセンター」ではなく、地域コミュニティのハブとして機能することを重視しています。地元の高校や大学とeスポーツ部の支援をしたり、シニア向けのゲーム教室を開催したり。世代を超えた交流の場になることで、地域に根ざした施設として認知されるようになります。実際、地元の商店街の方々が応援してくれるようになり、イベント時には商店街全体で盛り上げてくれることもあるんです。

デジタルとリアルの融合で、地方にこそ新しいエンタメの価値を届けたい

── 三島社長

プロリーグ運営と次世代人材育成

編集部
自社でプロリーグも運営されていますが、施設事業とのシナジーはどのように生まれていますか。
三島社長
私たちが運営する「AGJ Championship」は、全国12拠点を巡回する地域密着型リーグです。プロの試合を間近で観戦できることで、地元の子どもたちに夢を与えられる。さらに試合後には選手との交流会を開催し、直接話せる機会を作っています。この体験が施設の会員獲得や継続利用につながり、同時にリーグのファンベースも拡大する好循環が生まれています。
編集部
プロゲーマーの育成プログラムについても教えてください。
三島社長
18歳以下を対象とした「AGJアカデミー」を運営しています。ゲームスキルだけでなく、コミュニケーション能力やメンタルトレーニング、配信技術なども教えています。プロゲーマーは競技だけでなく、ストリーマーやコメンテーターなど多様なキャリアパスがある。だからこそ総合的な人材育成が必要だと考えています。すでに卒業生の中からプロチームと契約した選手も5名輩出できました。
編集部
eスポーツ業界の課題として、選手のセカンドキャリアが指摘されています。この点についてはどうお考えですか。
三島社長
非常に重要な課題です。現役期間が短いからこそ、引退後のキャリア設計を現役時代から考える必要があります。当社では引退選手を施設スタッフやコーチとして雇用したり、イベントのMCとして起用したりしています。また地元企業とも連携し、一般企業への就職支援も行っています。eスポーツで培った集中力や戦略的思考は、ビジネスでも十分に活かせるスキルですから。
編集部
教育現場との連携も進められているとお聞きしました。
三島社長
はい。現在、全国約30校の高校・大学のeスポーツ部の活動支援を行っています。施設の無料開放や大会運営のサポート、コーチ派遣などですね。eスポーツを通じて論理的思考やチームワークを学ぶ教育的価値を、学校側も認識し始めています。また不登校の生徒がeスポーツを通じて学校とつながりを持てたという事例もあり、教育的な意義は想像以上に大きいと感じています。

eスポーツは単なる娯楽ではなく、人を育て、地域をつなぐ力を持っている

── 三島社長

新規事業とグローバル展開の展望

編集部
今後の新規事業について教えてください。
三島社長
今年からVR技術を活用した次世代型エンタメ施設の開発を進めています。eスポーツとVRスポーツを融合させた新しい体験型コンテンツです。例えばバーチャル空間でのスポーツ観戦や、自分がアスリートになったような没入体験など。デジタル技術の進化により、エンタメの可能性は無限に広がっています。
編集部
メタバース領域への参入も計画されているそうですね。
三島社長
はい。リアル施設とメタバース空間を連動させた「ハイブリッド型イベント」を構想しています。物理的に施設に来られない人も、メタバース上で同じイベントに参加できる。地方創生を掲げる私たちだからこそ、距離の制約を超えた新しいエンタメ体験を提供したい。来年には第一弾のサービスをローンチする予定です。
編集部
海外展開についてはいかがでしょうか。
三島社長
実は来年、東南アジア3カ国で施設展開を計画しています。日本で培った地域密着型のビジネスモデルは、アジアの地方都市でも通用すると考えています。特にベトナムやタイではeスポーツ人口が急増しており、大きなポテンシャルを感じています。日本発のエンタメモデルを世界に広げていきたいですね。
編集部
最後に、今後のビジョンをお聞かせください。
三島社長
「世界中のどこにいても、最高のエンタメ体験にアクセスできる社会」を実現したい。デジタル技術の力で、地理的・経済的な格差を越えていく。そして私たちの施設が、若者たちの夢や挑戦の起点となり、地域の活性化にも貢献できる存在になる。eスポーツはまだ発展途上の産業ですが、だからこそ私たちが業界のスタンダードを作り、社会に新しい価値を提供していきたいと考えています。10年後には、eスポーツが地域に欠かせないインフラになっていることを目指しています。

デジタルの力で、誰もが夢に挑戦できる社会を創りたい

── 三島社長
📝 まとめ
・地方都市12拠点にeスポーツ施設を展開し、デジタルエンタメの地域格差解消に取り組む
・自治体・企業連携と配信スタジオ併設により、地方でも採算性の高いビジネスモデルを確立
・自社プロリーグ運営と育成アカデミーで次世代人材を輩出し、教育機関との連携も強化
・VR技術やメタバース活用の新規事業と東南アジア展開で、グローバルな成長を目指す

🏢企業情報

会社名 株式会社アリーナゲーミングジャパン
業種 スポーツ・エンタメ
役職 代表取締役社長
代表者 三島 拓哉
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